海外通販や個人輸入、魅力的ですよね! 日本では手に入りにくい珍しいアイテムや、国内価格よりもずっとお得な商品を見つけた時の喜びは格別です。ブランドの公式サイトから直接購入したり、現地のセレクトショップをのぞいてみたりと、楽しみ方も多様化しています。
でも、「よし、買おう!」と意気揚々と注文した後に、「あれ?関税ってかかるの?」「送料が思っていたより高い…」と、予想外のコストにびっくりした経験はありませんか? せっかくお得だと思って買ったのに、追加の支払いで結局高くついてしまった…なんてことになったら悲しいですよね。
実は、この「関税」と「送料」は、海外通販でお得を実現するための大きなカギを握っています。これらを賢く管理する知識があれば、もっと安心して、そして本当にお得に海外ショッピングを楽しむことができるんです。
この記事では、海外通販をもっと賢く、もっとお得に活用できるよう、関税や送料をできるだけ抑えるための具体的なショッピング戦略を分かりやすくご紹介します。「免税枠の活用法」から「狙い目のセール時期」、「送料を無料にするコツ」、さらには「関税がかかりにくい品目の選び方」まで、知っておきたい情報が満載です。
賢い海外ショッピングのテクニックを身につけて、あなたのお買い物をワンランクアップさせましょう!
海外通販でまず知っておきたいのが、「免税枠」=「関税・消費税がかからない範囲」の存在です。つまり、関税・消費税がかからない範囲でお買い物すれば、税金なしでお買い物ができるのです。ここを理解しているかどうかで、最終的な支払額が大きく変わってきます。
日本の税関では、個人輸入の場合、「商品の合計金額(課税対象額)が1万円以下」であれば、原則として関税および国内消費税が免除されるというルールがあります。
「免税枠」の基本ルール
個人輸入の場合、1つの包装に梱包された「商品の合計金額(課税対象額)が1万円以下」であれば、原則として「輸入関税」と「消費税」が免除されます。 これがいわゆる「免税枠」です。
ただし、ここで言う「商品の合計金額(課税対象額)」が少しポイントになります。海外のショップで表示されている「商品価格の合計」がそのまま課税対象額になるわけではない場合が多いからです。
一般的な個人輸入の場合、税関での「課税対象額」は、
「海外での小売価格合計 × 0.6(60%)」
です。
つまり、もし海外小売価格の合計が約16,666円以下であれば、課税対象額は「16,666円 × 0.6 ≒ 9,999円」となり、1万円以下になるため免税枠に収まる可能性が高いということになります。
免税が適用されないケース・注意が必要な品目
残念ながら、すべての商品がこの1万円ルールに当てはまるわけではありません。特に以下の品目は、商品によっては課税対象額が1万円以下であっても関税がかかる場合があります。
- 革製品(バッグ、手袋、ベルト、革靴、など)
- ニット製衣類(Tシャツ、セーターなど)
- 履物
- 化粧品…1品目24個以上
これらの品目は、種類や価格、数量によって個別のルールが適用されることがあるため注意が必要です。例えば、革製のバッグは価格にかかわらず課税対象となる場合が多いなど、品目ごとに詳細な規定が設けられています。
具体的な戦略:免税枠を意識した買い物
この免税枠を賢く活用するための戦略はシンプルです。
- 注文前に合計金額を確認する: カートに商品を入れた時点で、商品の合計金額をしっかりと確認しましょう。合計金額が約16,666円を超えそうかどうかを意識します。
- 可能であれば注文を分ける: もし購入したい商品の合計金額が免税枠を超えそうな場合は、複数回に分けて注文することを検討しましょう。ただし、注文ごとに送料がかかる場合、送料の合計が高くなってしまう可能性もあるため、送料と関税のバランスを考えて判断が必要です。
この免税枠のルールを知っているかいないかで、最終的に支払う金額が大きく変わる可能性があります。特に少額の買い物を頻繁にする方にとっては、非常に重要なポイントと言えるでしょう。
海外通販でお得に買い物をするための王道ともいえる戦略が、現地の「セール時期」を狙うことです。商品自体の価格が大きく下がるセールを活用すれば、全体の購入金額を大幅に抑えることができます。通常の購入だと免税枠を超えてしまう場合でも、セールの値引きによって免税枠内に抑えられる可能性があるのです。
狙い目の海外セール時期
海外のショップでは、特定の時期に大規模なセールが開催されることが多いです。これらの時期を把握しておくと、効率的にお得な商品を見つけられます。
ブラックフライデー (Black Friday)&サイバーマンデー (Cyber Monday):
例年11月の第4木曜日の「感謝祭(Thanksgiving Day)」の翌日(ブラックフライデー)から、週明けの月曜日(サイバーマンデー)にかけて行われる、アメリカ発祥の大規模セール。最近では世界中に広がり、多くのお店が年間で最も大きな割引を実施します。年末商戦の始まりでもあります。
Black Friday | Cyber Monday | |
---|---|---|
2025年 | 11/28 | 12/1 |
2026年 | 11/27 | 11/30 |
2027年 | 11/26 | 11/29 |
季節ごとのセール:
Summer Sale(夏)、End-of-Season Sale(季節末)、Winter Sale(冬)など、季節の変わり目やセール時期が設定されています。特に季節末のセールでは、シーズンオフの商品が大幅に値下げされることがあります。
ホリデーシーズン:
クリスマス、年末年始にかけても、多くのショップでホリデーセールやクリアランスセールが行われます。ギフト需要が高まる時期でもあり、特別なプロモーションが期待できます。
ブランドやショップ独自のイベント:
創業記念セール、〇周年セールなど、個別のブランドやショップが独自にセールやキャンペーンを実施することもあります。
中国の独身の日 (Singles’ Day – 11月11日):
近年、特にアジア圏の通販サイトで非常に大きなセールイベントとなっています。
これらの時期に合わせて、事前にお目当てのショップやブランドの情報をチェックすると良いでしょう。
セール情報を効率的にキャッチする方法
- 公式サイトやメルマガを登録: 気になるショップやブランドの公式サイトをブックマークし、メールマガジンには必ず登録しておきましょう。セールが始まる前に告知が届くことが多いです。
- SNSアカウントをフォロー: Instagram, Twitter, Facebookなどの公式アカウントをフォローするのも有効です。リアルタイムでセール情報や限定クーポンが発信されることがあります。
- セール情報サイトやアプリの活用: 海外通販のセール情報を集約しているサイトや、価格トラッカー機能のあるアプリなども情報収集に役立ちます。
ただし、セール時期は注文が殺到するため、通常より商品の発送や配送に時間がかかる可能性があります。人気のアイテムはすぐに売り切れてしまうこともあるので、情報収集と早めの決断が肝心です。
海外通販で意外と大きな負担になりがちなのが「送料」です。軽い小物でも国際送料はそれなりにかかりますし、衣類や靴などの重さやかさがあるものだと、商品代金と同じくらいか、それ以上に送料が高くついてしまうことも珍しくありません。
だからこそ、「送料を抑えられるサービス」を賢く活用することが、海外通販でお得を実現するための非常に重要なテクニックになります。
「送料無料」サイトを活用する
同じ商品でも、販売しているショップによって送料の体系は大きく異なります。商品価格に加えて送料を含めた総額で比較することが重要です。「A店は商品が少し高いけど送料が安い」「B店は商品が安いけど送料が高い」といった場合、送料を含めるとA店の方がお得だった、ということもよくあります。
購入ボタンを押す前に、他の取り扱いショップの送料も確認する癖をつけると、より賢く送料を抑えることができます。
「重さ」や「かさ」を意識する
多くの国際送料は、荷物の「実重量」または「容積重量(サイズを重量換算したもの)」のどちらか重い方に基づいて計算されます。
- できるだけ軽い素材のアイテムを選ぶ。
- 過剰な梱包を避けてくれるショップを選ぶ(ただし、破損リスクも考慮)。
- 小さくまとまる商品を複数購入する。
購入前に商品の詳細(素材や梱包サイズなど)が分かれば、送料の目安を立てやすくなります。特に靴やバッグなど、かさばるアイテムは送料が高くなりがちなので注意しましょう。
海外転送サービスを活用する
海外に拠点を持つ転送サービス(個人輸入代行サービス)を利用すると、通販サイトから直接送ってもらうよりも送料を安く抑えられる場合があります。特に、複数ショップからそれぞれに取り寄せるよりも、一つにまとめて輸入した方がトータルの送料が割安になるケースが多いです。ただし、ひと手間もふた手間も増えるので、それでも安くしたい!という方のみ検討・比較してみてください。
関税や消費税がかかるかどうか、そして税率がどのくらいになるかは、「輸入する品物の種類」によっても大きく変わってきます。
品目によっては、関税率がゼロ(無税)、または非常に低いものがあります。お得に海外通販を楽しむためには、こうした品目の特性を知っておくことも有効な戦略です。
比較的、関税がかかりにくい品目の例
一般的に、個人の使用を目的とした輸入において、関税率が低めであったり、免税扱いになりやすい品目には以下のようなものがあります。
- 書籍、新聞、雑誌 個人的な読書用の書籍などは、通常、関税はかかりません。消費税のみがかかる場合があります。
- CD、DVD、ブルーレイディスク これも個人的な視聴用のものは、通常、関税はかかりません。消費税のみがかかる場合があります。
- 記録媒体(USBメモリ、SDカードなど)
- 一部の電子機器部品
- 美術品、骨董品
これらの品目は、文化的な観点や国際的な取り決めにより、関税が優遇されていることが多いです。ただし、これらも課税対象額が1万円を超える場合は、消費税がかかるのが原則です。
関税がかかりやすい、または税率が高めの品目の例
一方で、以下のような品目は関税がかかりやすかったり、他の品目に比べて税率が高めに設定されていたりすることがあります。
- 革製品全般(バッグ、財布、手袋、靴など) 価格にかかわらず課税対象となることが多い代表例です。
- 編物製品(セーター、カーディガンなど) 特に毛製品や高価なものに注意が必要です。
- 履物(革靴、スポーツシューズなど)
- 衣類(布帛製品、特に価格が高いもの) Tシャツやジーンズなど一般的な衣類でも、課税対象額が1万円を超える場合は課税されます。
- 食料品、飲料、たばこ 品目によって細かく税率や規制が定められています。植物検疫や動物検疫が必要な場合もあります。
- 化粧品 製品によっては、成分によって輸入が規制されていたり、薬事法関連の手続きが必要だったりする場合があります。
購入前の確認をおすすめします
どんな品物に関税がかかるのか、どれくらいの税率なのかは、「実行関税率表」というもので細かく定められています。自分が買いたいものがどのような品目に分類され、どんな税率がかかる可能性があるのかを大まかに知っておくことは、予算計画を立てる上で役立ちます。
税関やJETRO(日本貿易振興機構)の公式サイトで調べるのが安心ですが、分類が非常に専門的で複雑なので、Amazon.comで確認してみてください。
※Amazon.comの利用がはじめての場合は、アカウントを作成し、住所登録をしてください。
“Shipping to Japan Details“をクリックすると、「商品価格+国際送料+輸入諸経費」の合計金額がわかります。

**繰り返しになりますが、たとえ関税率がゼロの品目であっても、課税対象額が1万円を超える場合は、原則として消費税(地方消費税含む)はかかります。あくまで「関税がかかりにくい品目」という視点での戦略であることを理解しておきましょう。
品物の種類による課税の仕組みを知ることで、思わぬ高額な税金に戸惑うことなく、計画的に海外通販を楽しむことができます。
- 税関のWebサイト: 日本の税関の公式サイトでは、個人輸入に関する情報や、主要な品目の簡易税率などが案内されています。
まとめ
海外通販・個人輸入は、魅力的な商品を国内よりもお得に手に入れる素晴らしい方法です。しかし、「関税」と「送料」という見えないコストを意識しないと、せっかくのお得が帳消しになってしまうこともあります。
この記事では、これらのコストを賢く抑えるための具体的なショッピング戦略として、以下の4つのポイントをご紹介しました。
- 免税枠内に収まるように調整する: 商品の課税対象額が1万円以下なら関税・消費税が免除されるルール(海外小売価格約16,666円以下が目安)を理解し、注文を調整する。ただし、越えるか超えないかのギリギリの金額は課税される恐れがあるので要注意⚠️
- セール時期を狙う: ブラックフライデーなどの大型セールや季節のセールを活用して、商品価格と課税対象額、さらには送料を抑える。
- 送料無料になる条件を活用する: 一定金額以上の購入やキャンペーンなどを利用して、高額になりがちな国際送料をゼロにする。
- 関税がかかりにくい品目を選ぶ: 書籍やCDなど比較的関税がかかりにくい品目を知っておく。ただし、品目ごとのルールや消費税には注意が必要。
これらの戦略を一つだけ実践するのではなく、組み合わせて使うことで、より効果的にお得を追求できます。例えば、セール時期に免税枠内の商品をまとめ買いし、送料無料の条件を満たすように調整するといった方法です。
海外通販は情報戦の側面もあります。購入前に関税や送料のルール、ショップのポリシーをしっかりと確認する手間を惜しまないことが、成功の鍵となります。また、税関のルールは変更される可能性もありますので、不安な点があれば税関やJETROなどの公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
賢い戦略を身につけて、関税や送料を気にしすぎることなく、安全で楽しい海外ショッピングを存分に満喫してください!